上原近代美術館は、大正製薬株式会社名誉会長 上原昭二氏が長年にわたって収集、愛蔵した美術品の寄贈のもと、氏の私財によって2000年春、伊豆・下田市に開館しました。
日本画の鑑賞と収集を好んだ両親の影響を受け、上原氏も若い頃から美術鑑賞を趣味とし、特に西洋近代美術の収集にあたりました。その作品の一点一点に上原氏独特の感性と深い愛情を感じることができます。個人のコレクションがもとであるため、多くが小品ではありますが、西洋近代美術の一側面を知ることのできる注目すべきコレクションとなっております。セザンヌ、ルノワール、マティス、ピカソなどの西洋近代絵画のほか、梅原龍三郎、安井曽太郎、須田国太郎、川合玉堂、伊東深水など日本の絵画、またマリーニ、マンズーなどの彫刻と多彩なコレクションのなかから、季節ごとにテーマを変えて展覧会を行なっております。
伊豆の山々に囲まれたこの小さな美術館で多くの皆様が安らぎのひとときをお過ごし頂ければ幸いです。
なお、当館では作品の公開・展示だけでなく、専門家を招いての講演会や講習会、学校と連携した教育普及活動など、幅広い文化活動を行なっております。当館が地域文化向上の場となることを願っております。